呉ノ藍元の易断

易(略筮法)により思うままに占断します

勝負占(東京マラソン2020年3月1日開催)

2020年2月29日の占。

 

明日3月1日は、東京五輪の最後の切符をかけて

東京マラソン(男子)が開催される。

そこで、有力候補とされる日本人男子3人について

活躍を占った。

 

  • 大迫 傑選手(28歳)        現日本記録保持者                          2:05:50
  • 設楽 悠太選手(28歳)  全日本記録保持者                          2:06:11
  • 井上 大仁選手(27歳) 18年ジャカルタ大会金メダリスト 2:06:54

 

1、大迫傑選手・・・地火明夷3爻変、地雷復へ之く

明夷は、

内卦の離を文明とし、麗(つ)くとし、

外卦の坤を暗昧とし順とすれば、

内卦の自分は明だけれども、外卦の坤暗なる相手に麗きしたがって

自分の明るさを暗まされる様子。

 

三爻を得たが、この九三と上六は害応しており

明夷の首領上六により九三は傷つけられる。

これを討伐して、その首を討ちとろうとする。

しかし、上六は勢い盛んで簡単には討伐できない。

よくよく相手と自分の能力を比較熟慮したうえで、決行するべきである。

もし慌てて場当たり的に行動するならば、却って大きな被害を被る。

 

以上より

大迫選手は、

序盤、トップ集団に付き従ってチャンスをうかがうが

トップ集団のかけひきに巻き込まれ、ペースを乱される。

なかなか先頭を奪うことができずに内心慌てふためく場面もあるだろう。

場合によっては、先頭集団から脱落することもありうる。

しかし、先頭集団の姦計かけひきにも我慢して

たとえペースを乱されても、深謀遠慮をもって軽々しく動かなければ

失地回復の余地は残されており、最後に好機が訪れよう。

 

2、設楽悠太選手・・・雷水解四爻変、地水師に之く

雷水解は、水雷屯が易位した卦。

水雷屯の内卦震が動き進んで、坎の大川を渉りきり、険難を脱出した様子が

雷水解である。

設楽選手は、ラストスパートで一気に活躍できる勢いがあることを示している。

 

卦辞もまず「西南に利あり」。

西南とは坤地の方位であり、初爻を北とすれば、上六は南の方位にあたる。

西南は「前進」を意味する

また、坤は柔順を表すので、レース序盤は、先行集団に付き従う戦法となろ。

 

次に「往くところなくば、それ来たり復(かえ)りて吉」。

集団に囲まれて、動きがとれなくなる。

プレッシャーも受けるだろう。

しかし、行くところがないからと言って慌てる必要はない。

その集団内でじっとしていているのが、集団に従順であり

吉を得るのだ。

 

そして最後に「往くところあれば夙(はや)くして吉」。

後半になると、先行集団から脱落する者出てきて

集団の囲みが緩くなる。

行く場所を見つけたら、一気に抜け出すチャンス。

その機会を逃さずに、ラストスパートかければ

良い結果を得られる。

 

四爻を得ているが

 

解の四爻は、陽剛の才力があり、解の時にあたって

天下の大険難を解くべき任務をもち、その才力徳量に申し分のない者。

しかし、注意がいる。

初六の陰柔の小人が応じているので、九四に親しみやってくるのである。

これは九四にとって益となるのではなく、足を引っ張るものとなる。

だから、この陰柔小人を排除し解き去る必要がある。

そうすれば、同徳の二爻が、九四のもとにやってきて、力を合わせて

目標へ向かうのである。

 

つまり、集団から抜け出す際に

外国勢選手の強靭なプレッシャーにあい、

なかなかふりほどけないが

ライバルの日本人選手が並走して

共にその圧力を除去してくれるのである。

 

用心しないといけないのは

この爻辞には「なんじが拇(おやゆび)を解く」とある。

足の親指のこと。

足のケガ、骨折、けいれんには気を付けないといけないだろう。

特に集団内に閉じ込めれるだろうから、

転倒により足を負傷することも考えられる。

 

之卦「地水師」は戦いの卦であるが

危険について警告があるので、用心にこしたことはない。

 

3、井上大仁選手・・・地風升の上爻変、山風蠱に之く

地風升は、木の芽が地中から出てくるところであり、

進み昇るという意味をもつので、良い卦である。

そして卦辞も四徳(元亨利貞)が揃い、

「南に征(い)けば吉」と、太鼓判を押す。

 

しかし、進み昇る時において、上爻を得ている。

すでに行くところがないのに、さらに進もうとする。

行き過ぎるのである(「升るに冥(くら)し」)。

このままでは凶害を被るので止まるときを知ることが肝要である。

(「不息(やまざ)るの貞(つね)あるに利あり」)

 

井上選手は、外国勢選手の早いペースに惑わされ

どんどんスピードアップし、行けるところまで行ってしまう。

ペースを落として止まることができれば、チャンスがあるだろうが

勢いに任せて行ってしまえば、脱落あるのみ。

 

之卦「山風蠱」。

辛抱強く慎重に事を運べと説く。

そうしないとリズムが乱れて、後の祭り。

納得のいかない結果を得るであろう。

 

以上より、勝負占としては

3人の順位は上位から

1、設楽悠太選手

2、大迫傑選手

3、井上大仁選手

 

ちなみに、外国勢で最有力のビルハヌ・レゲセ選手(エチオピア2:0248)

活躍を占って「澤雷随初爻変、澤地萃に之く」を得た。

澤雷随は震の長男が、兌の少女のもとに下って従っている様子である。

これは本来随わせるものに、随っているのであって、随い難き道である。

また、内卦の自分は動いて、外卦の相手を悦ばせ、自分が積極的に相手に随う様子である。

そして、卦辞も四徳そろい、「咎なし」と。

初爻の爻辞も合わせ見ると、

レース序盤は、順位が入れ替わることもあるが、

周囲に随って吉を得る。

その様は、余裕綽々。積極的に集団に随い、単独先頭にたつことはないだろう。

最後には集団の真ん中を突破して「功有り」。優勝を手にする。

 

断了